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19市の19年度予算 普通建設事業費13市で増加

 県内19市の2019年度当初予算案が出揃った。一般会計の単純合計は7130億7780万円で、前年度の7072億8473万円に対して57億9307万円増、0・8%の伸び。19市中15市で前年度より増えた。うち普通建設事業費(以下、普建費)は、前年度の906億2352万円から19年度は905億6837万円となり、5515万円の減、マイナス0・1%。千曲市、東御市の大幅な減少が全体を引き下げているためで、19市中13市は増加している。

◆道路整備や定住促進住宅

 一般会計が11・2%増と19市の中でトップの上げ幅となった諏訪市は、普建費の伸び率も82・7%と最も高かった。4月に市長選挙を控えており、従来は骨格予算になるところだが、駅前交流テラスすわっチャオ整備13・9億円や市道柳並(やんなみ)線の道路整備6・1億円、水戸代団地建替え2・8億円などの継続事業が全体を押し上げた。柳並線の大幅な整備をはじめ、橋梁長寿命化2億円など土木費には28・6億円を計上している。
 70・2%増と次いで普建費の伸びが高かった飯山市は、移住定住促進住宅整備2・2億円や若者住宅整備1・9億円、デジタル防災行政無線整備3・1億円、除雪対策6・7億円など定住促進策や防災関連の事業費が大きい。
 49・3%増の上田市は、前年度、市長選挙で政策的経費を抑制。今年度は市庁舎の改修・改築事業に15・7億円を充てたほか、武石地域総合センター整備事業4・3億円、丸子統合保育園建設1億円、生活関連の道路・河川整備5億円、市道新設改良事業6・5億円、インフラ長寿命化修繕事業5・7億円など、身近な案件に手厚く付けた。
 普建費の伸び率が二桁代のところはほかに、小諸市45・9%増、駒ケ根市40・2%増、岡谷市38・8%増、中野市32・4%増、須坂市20・5%増、塩尻市14・0%増。実に9市が二桁の伸びとなっている。
 普建費が82・5%減と最も下げ幅の大きかった千曲市は、新庁舎建設や戸倉上山田中学校の改築など大型投資が一段落したことによる。前年度の97・7億円から19年度は17億円にまで縮小。80億円の減が全体を押し下げた。だが、昨年度が特に大型で、今回、市道千曲線の整備3・5億円や市道維持補修1・8億円、デジタル防災行政無線2・5億円などを計上しており、通常走行に戻った格好だ。
 これに次ぐ47・6%減の東御市も日向が丘団地の建設など継続事業の減によるところが大きい。湯の丸高原の屋内運動施設建設8・8億円は継続の大型事業だが、ほかに小中学校のエアコン設置やトイレ改修1・2億円などを盛った。
 普建費の二桁減はこの2市に留まり、2市に次いで7・1%減の安曇野市でも、小学校のエアコン等整備9・3億円や屋内運動場4施設の非構造部材耐震化2・2億円のほか、明科駅周辺整備3・8億円、市道新設改良2・9億円、道路橋梁維持2・8億円など足下の事業を予算化した。

◆増える工事量、早期発注で対応
◇小規模建設業の収益性改善に

 今回出揃った予算案には、大型案件ばかりに頼らない、生活に身近な工事や防災関連、地域活性化関連の施策への投資が目立った。
 19市の新年度予算案には国が3カ年で進めようとしている国土強靭化のための緊急対策に要する費用は盛り込まれていない。市町村への配分内容はまだ明らかではないが、橋梁長寿命化や幹線道路の整備などが想定される。今後、これらの予算が市町村にまで行きわたると、国、県、市町村のすべてで工事量が増加する、またとないチャンスとなる。
 東日本建設業保証がまとめた2017年度の決算分析によると、県内建設業の工事採算性を示す売上高営業利益率は1・57%で、東日本の23都県中で22位と、ほぼ最低水準にある。とくに売上規模5億~10億円の企業の収益性が4・48%なのに対して、1億円未満はマイナス1・74%と、二極化も進行。市町村の工事量の減少が大きく影響しているとされるなか、今年度の県の公共事業費の伸びとともに、市の普建費の伸びは小規模建設企業の収益性改善にとって大きなチャンスだ。
 課題はその予算をどうスムーズに執行するかで、県市を挙げて地域の実情に合わせながら、早期発注や施工ロットの適正化などに努める取り組みが必要になる。[新建新聞2月25日号抜粋]

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